恋の始まりと反応速度〜有機化学者的恋愛術〜

- 暇つぶしに
- 恋人が欲しい研究者
- ゆるく化学を学びたい人
「恋愛」は2人の人間が出会い結ばれるところから始まる。
「化学反応」は2つの分子(化学物質)が出会い結ばれるところから始まる。
「恋愛」と「化学反応」って全く同じじゃないか
つまり、「化学反応」を加速させる方法は「恋愛」を加速させることにも応用できるのでは?
この記事を研究は得意だが、恋愛は苦手な化学者たちに捧げる。
恋愛速度=k[あなた][相手] まずは“濃度”を上げろ!

溶媒を減らして濃度が濃くなると、化合物の接触頻度が増え反応速度は速くなる。
2分子間の反応の速度は各化合物の濃度の積に比例する。
つまり、相手の頭の中にいるあなたの濃度を2倍にすると恋愛速度は2倍になるんだ。
あなたの濃度=相手の記憶に残る回数
濃度を増やすために、毎日のアイサツなどで接触頻度を上げていこう。
なお、k(速度定数)は環境や相性に左右されるため、相手の機嫌が悪い時などは無理に反応を進めようとしないこと。
濃度が上がりすぎると副反応も増えてしまうのでお気をつけあれ
恋のアレニウスの式:温度(情熱)で速度は変わる

反応温度が10℃上がるだけで反応時間は半分になってしまう。
それほど化学反応における温度の要素は重要なんだ。
相手に伝える情熱が10℃増えれば、恋愛速度は爆発的に加速する。
恥ずかしがってそっけない態度を取るのはやめにして、自分の好意をハッキリと表現して反応温度を高めていこう。
例えば、LINEの返事をいつもより少し早く返すとかも温度UPのテクニック。
反応温度をあげすぎて、化合物を分解してしまわないように様子を見ながら徐々に温度を上げるべし。そこは実験と一緒
ゆっくり、でも確実に温度を上げていこう。恋も反応も、焦らず育てるのが成功のカギだ。
恋の化学反応を加速せよ“触媒=きっかけ”の活用法

普段なら進行しない反応を可能にする魔法のような概念、それが「触媒」だ。
化学の世界では、不可能と思われる反応をいくつも実現してきたスゴいやつ
これを恋愛に活用しない手はないってもんだ
「共通の趣味」「共通の友人」など二人の恋愛活性化エネルギーを下げることができる要素を触媒にして反応を盛り上げていこう。
趣味をきっかけに会話が弾んだら、それは立派な“触媒反応”だ。
最初は『きっかけ』にすぎないけれど、それがあると一気に反応が進むはず。
ちなみに触媒は、反応が終わると復活するんだ。つまり、一度見つけた“共通のネタ”は何度でも会話の反応を加速させることができる。
触媒は魔法の技術と言っても万能ではないので、相手に合ったモノをしっかりと見極めて投入しよう。逆に“おせっかいな友人”が余計な反応を引き起こしてしまうこともあるので、不純物にはご注意を。
表面積は愛の接点

たまに、有機溶媒に溶けにくい固体を反応させないといけない時があるよね
そんな時はどうするかな?
そう、乳鉢などで細かくすりつぶして表面積を増やすことで反応速度を上げるはず
相手を「人間」という大きな括りで捉えているうちは反応もなかなか進行しないだろう
時間をかけて噛み砕いて理解して「好きな食べ物は」「どんな音楽を聴く」「学生時代の部活は」など相手を細かい要素に分解することで表面積を増やしていこう。
相手のことを知れば知るほど、“接点=接触面積”が増える。どこから話を切り出しても反応が進む状態をつくろう。
アジドのように刺激を与えると爆発する化合物も存在するので、“深掘り”はゆっくり慎重に。相手のペースに合わせるのが大事。
おわりに
まさか有機化学を極めると恋愛までマスターできてしまうなんて驚きだろう。
「全ての道は化学に通ず」とはよく言ったモノである。
化合物だけでなく、あの人の気持ちも自由自在に取り扱う、立派な化学者になってほしい
Let’s Enjoy Organic Chemistry